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2013年 06月 13日
まとめ読み
再々々々々々々読くらい。 要人の随行など、第一線で活躍された ロシア語同時通訳、作家の 故・米原万里氏は 十代の頃 本格的なキャラクター・ダンサーを 目指した経歴をお持ちなので ボリショイ・バレエ団の場面や ダンスの描写の部分が 踊る人の目線から 鋭く書かれています。 旧・ソ連スターリン時代の凄まじい 粛清がテーマの この本の最後の頁を繰った後の感動は 何度読んでも変わりません。 過酷なラーゲリでの 生活で、絶望にまみれた 収容された女たちが 生きる力を刹那、 取り戻すため 夜の就寝前に 互いにそらんじている 文学書や、芝居の一部、踊りを お互いの記憶だけをたよりに 再現し合い、披露しあうシーンが 何度読んでも、こころにしみます。 人間は、極限にあってなお 水、食べ物と同じくらい 美しいものを 見たり、聞いたり 想像することに 激しく飢えて苦しむということを 身が震える思いで 感じさせられます。 ストラヴィンスキーの自伝は 他にもエディションがありますが、 バレエ・リュス時代の 彼の肉声を 一番拾っているというこの一冊。 リュスに興味のある方には ぜひおすすめしたいです。 「春の祭典」についての彼のコメント。 振付に対する ストラヴィンスキーの考え方が とても興味深いです。 ニジンスキーを支えなければならなかった 初演のときの苦労。 そして再演を担ったマシーンへの 若干の苦言。 これには、彼のバレエ作品が 上演されるときの本音が 含まれています。 『音楽のほうは 単純な加算には満足せず、 振付に音楽と同等な 有機性を要求しているのだ。 (リズム的なエピソードを断片化し、 それらをまとめてくっつけるという振付方法が) 音楽自体に影響をもたらし、 聴衆が舞台化された楽曲の 意味を把握する妨げとなってしまう。 私の音楽が しばしばそうしたなげかわしい方法の 犠牲となってきたので、 私は事実をよく 心得たうえで、 そう述べているのだ』。 主役は音楽だ!と 断固とした彼の考え。 主役は振付だ!と 断固としていたバランシンと 彼との有機的な後年の 祝福された舞台上での 結婚が結実した 作品たちを 思い浮かべます。 またディアギレフによる 『眠れる森の美女』の復元再演では ストラヴィンスキーは ヨーロッパに 一組だけ残存したスコア (印刷ではなく手書きの写譜)を もとにオーケストレーションを 担当しました。 『単にチャイコフスキーに対する 愛情によってばかりではなく 古典バレエに対する 私の深い感嘆のためでもあった。 古典バレエは、 その本質自体において、 その構成の美しさとその形式の 貴族的厳格さによって、 私の芸術観に このうえなくよく一致している。 なぜなら、古典的舞踊においては 高尚な構想が とりとめなさに 規則が恣意に 秩序が「偶発的なもの」に 打ち勝つのが 見てとれるからである』。 眠れぬ夜に ミルクティーを飲みながら読む ちいさなファンタジー。 ある日、突然主人公の部屋に 起居するようになった 年をとればとるほど どんどん小さくなっていく 指一本分くらいの お菓子のグミが大好きな 王様。 挿絵のミヒャエル・ゾーヴァは 絵本でのすぐれた仕事もたくさんある 大好きな画家のひとりです。 「物語力」というパワーメーターがあるのなら ジャネット・ウィンターソンの 吹きすさぶ風に 負けないくらい 荒涼とした心象風景を ひとのこころの ままならないもどかしさを 時間を自在に飛び超えさせて かりそめ、その人生を共有させる ことばのパワーに 全身で風に抗うように びょうびょうと 自分をはためかせる読書。 岸本佐知子氏の翻訳を読みたいがために 手にした一冊です。 イタリア語が堪能な友人に この本のことを話したら 「勉強を始めた間もない頃に イタリア人の先生に 易しくて読みやすいから 薦められた」と言っていた童話。 この本の英訳を、 ベルリンの壁が崩壊する まさにそのときに、 彼の地で 武満徹がホテルで読みながら 笑い転げていた・・・というのが 私にとっては ひとつの寓話です。
by windtalker2008
| 2013-06-13 20:22
| 読書録
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