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2014年 02月 01日
出会う
駅から出勤の途中の道に、 今では珍しくなった 修理も受け付けてくれる 時計専門店がある。 マンションの下駄箱店舗で ご主人の奥様とおぼしき女性が きゅっと真っ白な ぞうきんをしぼり しゅっしゅと ウィンドーをぴかぴかに 磨き上げるのを 毎朝、目にしていた。 時間を確認するのに 携帯を使うようになって久しく 腕時計は、20年近く使った 母からのおさがりが いよいよ修理できなくなって つけなくなっていた。 玄関に置いて 出がけに時間を確認するのに 使っている いただきものの懐中時計の 電池が切れてしまったので こちらのお店に持ちこんで 交換してもらった。 昭和30年代はじめに取得した 四隅が茶色く変色した額入りの 一級時計修理士の免状が 入口にそっと掲げてある。 半分はリタイアしつつも お好きでお店を今は 開けていらっしゃるようで 飾られている チクタクと 振り子が揺れるタイプの 柱時計の数々。 蒐集家には たまらないであろう ○イコー社製の 業務用壁時計など 昭和な雰囲気が漂う。 店内には、いくつかの腕時計や 目覚まし時計が あまりにも商売っ気なしに 一応は値札をつけて 飾られていた。 祖父母の家にあった柱時計。こどもの頃、ガラス扉をあけて 踏み台をよじのぼり、ぜんまいを巻くのが待ち遠しかったのを 思い出しました。チクタクボーンボン♪) 交換してもらう間 ふと、文字盤も文字もとても 大きくてみやすい 本当にシンプルな腕時計が 目に入った。 ものは試しとお値段を聞いたら さあ、大変。 奥様は「うーん、うーん。 えっと、お幾らでしたっけねぇ」 あわてて、綴じ込んだ ファイルをぱらぱらと めくるのだが、わからない。 修理用の片メガネを 左の額に乗せた 奥の作業デスクの ご主人のところにSOS(笑) さて、どうしよう。購入すると 決めたわけではないのに 自分のその日の持ち合わせなど その先の心配で 私の心臓は、だんだん 速さをあげていく。 奥様はとっさになのか 「えーっと、2,000円?!」 ご主人は「2,000円はないだろう。 電池代のほうがたけぇさな」 「あらまぁ!どうしましょう」 「んまぁ、いいさね。ほら、よこしな」 わざわざ飾ってある時計の電池を さらに新品のものに 交換してくださった。 「これで、4年は保つからね」 私の腕におさまったこの時計。 この時計を買ったときの やりとりを、購入したと思うと とても価値があるように 感じるし、愛着を覚える。 秒針がついているのも 意外と便利だ。 そして私は、未来の一部も 購入した。 次に4年後に電池を 交換してもらうとき 私はかならずこのお店に 戻ってくるはずだから。 オリンピックみたいで なんだか愉快な気持ちになる。 お店の中で つたい歩きをしていらしたご主人が その日までお元気で いてほしい。 どうぞ良い週末を My Tumblr(おもにバレエの画像blogです) 追記:このメーカーの時計は ○ドバシとかの有名な廉価品らしく ネットではさんざんな書かれようでした(笑) チープなりに、壊れてしまったら なおせないでしょうから その日まで愛用したいと思います^^
by windtalker2008
| 2014-02-01 07:20
| 徒然
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Comments(2)
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non_troppo88 at 2014-02-01 15:58
こんにちは。
いつも思うのですが、風歩さん(←親しみを込めて)の感性が素敵なので読んだときグッとくるのですね、きっと。(^^ 時計(時計屋さん)との出会いもそう、感じるアンテナが鈍っていてはどうしようもないのですから。新しい時計、出来るだけ長く可愛がってやって頂きたいです。(^^
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windtalker2008 at 2014-02-02 09:18
>Tommyさま
ありがとうございます^^ 時計屋さんのご主人のおはなしぶりが、本当に印象に残っています。生粋の江戸っ子風で、日本橋で生まれも育ちもという感じがしました。 この時計は、文字盤がはっきり見えるので、なるべく長く活躍してほしいです^^愛用します!
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